債務整理をするかしないかの目安
債務整理とは借金をした人(債務者)が月々の返済が難しくなったときに行う手続きのことで、一般的には「債務整理」や「借金整理」と同じ意味になります。
債務整理には大きく分けて4つの整理法がありますが、そのどれにするかを考える前に、債務者が債務整理をしなくてはならない状況なのかを考慮する必要があります。
人にはそれぞれ違った事情があるのではっきりとした線引きが難しいのですが、一般に弁護士は月の返済額が収入から住居費を引いた金額の3分の1を超えたら債務整理をするべきだと考えています。
実際にほとんどの人が毎月の返済額がこれを超えるたときに苦しいと感じるようです。
まず債務者はこの金額を超えていないか確認し、超えていて返済が難しいと感じているなら債務整理を視野に入れて動きましょう。
まずは軽い方法から考えてみる
債務整理には4つの方法があるとかきましたが、いきなりどれかを選ぶことはほとんどなく、実際には最も軽い「任意整理」という方法で解決できないかを考えてみます。
任意整理は債務者が弁護士に依頼して、債権者(お金を貸した側)にこれから払っていく利息や延滞があった場合はその賠償金の免除を求めるやり方です。
この方法は裁判所を通す必要がなく、弁護士と債権者間の純粋な交渉になります。
もし交渉が成功すれば債務者が今後支払うべき金額は大幅に減額される可能性があります。
もしその金額でもこれからの返済が難しいと思われれば、「個人再生」や「自己破産」の手続きに入ることを考えることになります。
任意整理に向いているケースとは
他にも任意整理には向いているケースというのがあります。
任意整理とは弁護士と債権者との交渉なので、交渉相手が誰かによって成功率が違ってくるのです。
そのため債務者の借金が大手消費者金融からのものが多い場合は任意整理をしてみると返済額が減る可能性が高いでしょう。
また、任意整理後の返済はほとんど36回払いで行われるため、総額を36で分割して支払えるようなら任意整理がいいでしょう。
逆に任意整理が通りにくいのは奨学金のローンや街金が債権者の場合です。
このように相手次第なのが特徴ですが、任意整理は弁護士に一任することになるので弁護士が通りやすい相手を選んで手続きをしてくれます。
自宅を残したい場合は「個人再生」を
個人再生は債務者の総債務額(借金の全額)と資産や収入の状況によって、借金を3年から5年かけて支払っていく方法です。
こちらは裁判所を通す必要のある正式な手続きで、行うための条件は借金の返済が不能であるということです。
最も重い手続きである「自己破産」との違いは大雑把に説明すると、借金の全てを免除してもらうか大幅に減額してもらうかなので、一般的には債務者は自己破産を選択した方が得に思えます。
しかし、個人再生のメリットは住宅ローンのある自宅を残せることです。
また、自己破産と違いギャンブルや浪費でできた借金にも利用できる方法でもあります。
どの方法でも返済が難しい場合は「自己破産」を
債務整理の種類で最も重いのが自己破産という方法です。
任意整理や個人再生でも支払いが難しい借金の最終手段が自己破産なのです。
自己破産は全ての借金が免責される代わりに債務者の全ての資産を清算する必要があります。
つまり借金も資産も清算されるのが自己破産です。
そのため事前準備を含めて手続きは大変なものになります。
もちろん自己破産では自宅や車などの資産も処分しなくてはならず、現金も99万円以下しか手元に残すことが許されていません。
また、一度自己破産すると7年間は自己破産の手続きを行うことができません。