ブラックリストに載ると新たな借り入れができなくなる
債務整理には4つの方法がありますが、どの方法を選択したとしても「ブラックリストに載る」というデメリットがあります。
「ブラックリストに載る」とは信用情報機関に記録されてしまうということで、一度ここに記録されてしまうと一定期間が経過するまではどうしても消すことができなくなります。
そしてその期間の間はローンを組む、キャッシングをするなどの新たな借り入れが不可能になってしまいます。
ブラックリストに載る期間としては任意整理と特定調停が5年、個人再生と自己破産が5~10年と借金の免除額に比例して期間が長くなります。
ただしブラックリストに載ってしまったことを世間に公表されるわけではないので、人に知られる心配はありません。
債務整理の方法によっては人に知られてしまう
家族や友人・知人に秘密で債務整理の手続きを進めたいという人は多いですが、これはどの方法で債務整理するかによります。
たとえば債務者にある程度の返済能力があれば任意整理という方法になります。
この方法は弁護士と債権者との私的な交渉に過ぎないので、弁護士の協力を仰げば家族にも知られることはありません。
しかし、個人再生と自己破産は裁判所を介して行う公的な手続きですので、家族に秘密で進めるのは困難でしょう。
そして債権に保証人が設定されている場合、その債権を債務整理しようとすれば保証人に請求が行くため債務整理の事実が知られてしまうことになります。
また、個人再生と自己破産はブラックリストとは別に官報にその事実が載ってしまいますが、官報は世間の人が逐一チェックするような情報ではないので過度に心配することはありません。
お金がないのに費用が掛かってしまう
返済が困難だからこそ債務整理するのに、債務整理には弁護士費用や手数料がかかってしまうという矛盾する側面があります。
手数料は数千円~数万円と比較的安いのですが、問題は弁護士費用で、最も軽い手続きである任意整理でも債権者1件につき4万円程度、個人再生や自己破産なら債務者の状況にもよりますが最低20万円~50万円程度の費用を覚悟しなくてはなりません。
もちろん弁護士側も債務者の置かれた立場を理解しているので、分割払いにしてもらうことも可能です。
特定調停という方法に限っては債務者が自分で手続きするのが前提なので、うまく交渉が進めば任意整理よりも費用を抑えることができますが、交渉が難航すれば任意整理よりも費用と手間がかかることがあります。
自己破産も弁護士に依頼せず手続きが可能ですが、法律の知識がない一般人には荷が重いでしょう。
しかし日本には法的な費用が出せない人のために「法テラス」という機関もあるので、場合によってはそこで費用を建て替えてもらうことも視野に入れるといいでしょう。
債務整理にはデメリットもある、しかし…
このように債務整理にはいくつかデメリットがありますが、それでも借金の返済に困っているなら早めに手続きしてしまうことで受ける恩恵は大きいでしょう。
まず、債務整理を考える人というのは返済や督促のプレッシャーで相当なストレスを抱えていますし、人に相談しづらいので一人で悶々と悩む傾向にあります。
しかしいったん債務整理をしてしまえば債権者からの督促は早めの段階でなくなりますし、依頼するかを別にしても弁護士に相談して話を聞いてもらうことで、心が軽くなり道が開けることもあります。
つまり借金問題で最もしてはいけないことは、新たな借り入れをして問題を先送りにすることと一人で抱え込んで悩むことだと言えるでしょう。
ですから現在借金問題に悩まされている人は、無料で相談をや冷静な第三者に相談して意見を聞くことをお勧めします。