大手消費者金融アコムの過払い金事情はどうなのか

アコムとはどんな消費者金融なのか

アコムは1978年創立の消費者金融で、前身は神戸の呉服屋でした。

消費者金融の全盛期には業界トップに君臨する武富士に遅れはとったものの、過激な社内体制を敷く武富士が2010年の法改正後に倒産したのに対し、アコムは三菱UFJ・フィナンシャルグループの子会社になることで過払い金請求による業績の悪化に歯止めをかけ、現在では消費者金融の最大手となっています。

実際に銀行系列の消費者金融というイメージが功を奏し、カードローンの借入先に選ばれやすい消費者金融と言えるでしょう。

ちなみに「むじんくん」に代表される無人契約機はアコムが業界で最初に導入したものです。

アコムの過払い金はいつまでの契約が対象か

倒産した武富士から過払い金を回収するのはもはや困難ですが、アコムは今でも営業しているため過払い金を請求することが可能です。

貸金業界全体の動向としては、2006年に最高裁でグレーゾーン金利が違法とされたのを皮切りに多くの貸金業者が金利を下げはじめ、2010年に貸金業法・出資法が改正された後は完全にグレーゾーン金利での貸し付けはなくなりました。

このことをアコムだけの動向に絞れば、アコムは2007年6月18日から新規契約の金利を法定金利の18%に引き下げました。

そこで過払い金を請求する権利が生じるのはこれよりも前の契約ということになります。

しかし過払い金は完済から10年経過すれば消滅時効が成立し、請求できなくなるので2007年までの契約であってもそろそろ時効になってしまいます。

ただし、「最後の取引から10年」なのでこれ以後も取引を続けているなら過払い金の請求には間に合うことになります。

アコムの過払い金への対応はどうなのか

アコムの過払い金請求への対応は他の過払い金の場合と大きな違いがあるわけではありません。

過払い金回収を急ぐなら数ヶ月で8割程度の過払い金が手元に戻ってくることになります。

もし急がない代わりに100%過払い金を取り戻したいのならば裁判することになりますが、裁判でアコムが過払い金の減額を争ってくることはなく、時間はかかっても(半年程度)全ての過払い金を取り戻すことができます。

また、交渉に当たるのが請求者本人か弁護士かでも対応が変化するのも他の消費者金融と同じです。

もちろん弁護士が対応する方が不当に減額されず、交渉が難航することもありません。

しかし弁護士でも誰が請求するかで態度が異なってくるので、過払い金請求が得意な弁護士に依頼することが大切になります。

アコムに過払い金請求するデメリットは?

今後もアコムと取引を続けるつもりなら、アコムに過払い金請求するのに注意が必要です。

契約中にアコムに対して過払い金請求したり、同時に任意整理などを行うとアコムとの契約は解約という扱いになり、その後の利用はできなくなるからです。

また、カードローンの機能と共にクレジットカードのショッピング枠も利用不可能になってしまいますし、信用情報機関に記録される可能性もあります。

「信用情報機関に記録される」とは俗にいう「ブラックリストに載る」状態になることなのでその後5年間はいかなる借り入れもできなくなってしまいます。

つまりデメリットを回避したいなら借り入れの完済後に過払い金を請求するようにすればいいということになるでしょう。