税金を滞納している人が債務整理の際にすべきことは?債務整理の種類別に紹介!

税金を滞納したまま債務整理するのは危険な行為!

今抱えている借金の額そのものを減らしたり、そもそもゼロにする手続きを「債務整理」と言います。

つまり、今まさに借金の返済に苦しんでいる人にとって、非常に心強い制度こそが債務整理です。

そんな債務整理の利用を検討している人の中には、住民税や健康保険料などの国民の義務であるはずの税金が、支払えていない。

そのような人も多いかもしれません。

制度上、それら税金を滞納している状態のまま債務整理を行うことは可能です。

ただ、それは非常にリスクの伴う行為です。

可能な限り滞納している税金問題の解決と債務整理は並行して行うのがおすすめです。

なお、その詳細は債務整理の種類によって少しずつ異なります。

そこでここからは、主要な債務整理方法3つ「任意整理」・「自己破産」・「個人再生(個人民事再生)」それぞれの滞納している税金に対してすべき対応を紹介します。

任意整理の場合

債務整理の中で最もよく行われる任意整理をしたからといって、滞納している税金や国民年金、健康保険の問題が解決することはありません。

すでに督促などが手元に届いている場合、自分で任意整理とは別にしかるべき対応をとる必要があります。

特に、督促を無視したままにしておくと、役所に給料や銀行口座を差し押さえられてしまうことがあります。

しかも、このタイミングが任意整理と重なってしまうと、和解に基づく返済ができなくなってしまいます。

そのため、税金の滞納がある人が任意整理を行う場合、その支払いについて役所に相談しておくのがおすすめです。

タイミングは任意整理の前後どちらでも構いません。

なお、役所は相談にさえ出向けば、支払い方法の話し合いに大抵の場合応じてくれます。

ある程度の融通もきかせてくれるので、正直に借金をしていること、任意整理の利用を検討していることを役所に直接伝えましょう。

自己破産する場合

自己破産を行うと、借金はすべて免責され支払う義務がなくなります。

ただ、自己破産したとしても、免責の対象に税金が含まれることはありません。

つまり、自己破産したからといって、滞納している税金の支払い義務がなくなることは一切ありません。

なお、自己破産の際には、「債権者一覧表」と呼ばれる書類を裁判所に提出します。

そして、この一覧表に滞納している税金などを記載することで、債権者として扱われることになります。

つまり、自己破産を行う場合、その事前準備として税金などの滞納額がわかる正式な書類を役所から取得することが必要です。

そのため、その書類を取得するタイミングで役所と話し合う機会を設け、滞納している税金を支払う意思があることや、自己破産手続き中であることを伝えておくのがおすすめです。

特に、税金は一般の債権者と違って裁判などの手順を踏まずに強制的に差し押さえを決行できる特別な存在です。

そのような事態に陥らないためにも、自己破産をする前に役所と滞納している税金の支払いについてしっかり話し合っておきましょう。

個人再生(個人民事再生)する場合

裁判所を通して借金を最大9割減額し、残った分を3から5年かけて支払っていくよう手続きする債務整理が、個人再生(個人民事再生)です。

なお、個人再生にあたっては、この先借金を返済できることを「再生計画案」を通して裁判所に認可してもらう必要があります。

そんな個人再生を行った場合も、任意整理や自己破産同様税金は減額の対象に含まれません。

つまり、個人再生したからといって支払うべき税金の総額が変化することはありません。

そのため、個人再生の手続きを行う人に税金などの滞納がある場合、その解消をどのようにするかを役所と協議し、その結果を裁判所に報告する義務が生じます。

これは、滞納している税金などが原因で差し押さえが発生し、個人再生をした人に継続して生じる返済義務が滞ってしまうことを防ぐためです。

事前に役所と協議して、毎月の返済額を決めてから個人再生の手続きを進めましょう。

まとめ

債務整理は、借金の総額を減らしたり、そもそもゼロにできる借金に苦しんでいる人にとって非常に心強い制度です。

ただ、債務整理を行ったからといって、滞納している税金問題が解決するわけではありません。

これは、債務整理の対象に税金は一切含まれないためです。

しかも、税金の徴収は裁判なしで差し押さえを決行されることもあり、その督促状を無視し続けるのはかなり危険な行為です。

そのため、任意整理であろうと、自己破産であろうと、個人再生(個人民事再生)であろうと、いずれの債務整理を行う場合も、それら手続きの準備とあわせて役所と滞納している税金の支払い方法について話し合いの場を設けるのがおすすめです。

直接足を運べば、大抵の役所は話し合いに応じてくれます。

放置せず、借金問題とあわせて滞納している税金問題も解決してしまいましょう。

以上、債務整理で税金の滞納している分も整理することはできるの?…でした。