依頼の前に、焦らないで取引履歴で時効を確認
過払い金請求を勧めるCMでは「時効が迫っています」と視聴者を焦らせるような演出がなされています。
過払い金を請求するのに時期が早い方が有利なのは本当なのですが、だからといって焦ると最も大事な弁護士や司法書士を選び間違えてしまいます。
まずは貸金業者から取引履歴を取り寄せて消滅時効に当たらないかを自分で確認してみましょう。
貸金業者は取引履歴の請求を拒むことができないため、請求を断られることはありません。
消滅時効は最高裁でグレーゾーン金利やみなし弁済が廃止されてから10年であると誤解されがちですが、正確には「完済から10年」、取引が続いているなら「最後の取引から10年」です。
CMで宣伝している法律事務所は信頼できるのか
私たちは「大手なら信頼できる」「名前を知っている事務所なら大丈夫」と思いがちですが、実際のところはどうでしょうか。
結論から言いますと、CMでさかんに宣伝をしているということだけではそこが良心的な法律事務所かどうかの判断をすることはできません。
ただCMでたくさんの依頼者を集客しているので、「時間をかけた相談がしづらい」「担当者がよく変わる」「報酬が高くなる」などの欠点が出やすい傾向はあるようです。
一方で多くの過払い金請求の案件を手掛けてきたとも考えられるので、一概にCMで宣伝している法律事務所や司法書士事務所は信頼できないとも言い切れません。
ではどのようなポイントに気を付けて依頼先を決めればいいのでしょうか。
信頼できるかの目安は?良心的な事務所のポイント3つ
良心的な事務所かを見分けるポイントは主に以下の項目があります。
① 料金が明確であり、きちんと明細を出してくれる
直接でもサイトでも良心的な事務所ではどんな案件にいくらかかるのかはっきりと表示しています。
一般的に過払い金請求の相場は返還される過払い金の20%ほどが相場です。
裁判するならもう少し高くなりますがそれでも25%ほどが上限になります。
また過払い金がいくら支払われるかのはっきりとした明細も出してくれます。
② 弁護士や司法書士自身が対応してくれる
事務所の中には事務員ばかりに対応させて弁護士自身がほとんど出てこない所があります。
そのような対応をしてくる事務所はあまり良くない確率が高いでしょう。
③ 過払い金が返還されるのに時間がかかりすぎない
普通、裁判なしなら過払い金返還までにかかる時間は1ヶ月程度、裁判をすれば4か月から半年程度が目安です。
しかし杜撰な事務所に依頼して半年から1年も放置されたというケースもあります。
依頼する事務所を変えたいときは?
「過払い金請求を急がせるCMを見て慌ててそこに依頼したが対応に不信感がある。
依頼先を変えたい」という悩みはよくあります。
もちろん依頼する事務所を変えることは可能で、キャンセル料がいらない所も多いです。
手順としてはまず元の依頼先にキャンセルしたい旨を伝えるとキャンセルを受けた事務所が各業者に辞任通知を発送してキャンセルが完了します。
そしてキャンセルが完了してから次の事務所に依頼するのが事務所を変更する場合の正しい流れになります。
しかし一度依頼した事務所を変更するのは依頼者にとっても事務所にとっても利益があることではありません。
できるだけ依頼前に料金や対応などをしっかりとチェックし、納得してから契約するようにしましょう。