なんとなくブラックなイメージがあり、ヤバい、関わりたくないものといった存在なのが闇金です。
しかし世の中にはこれを必要悪だとする考え方もあり、実際に闇金が社会からなくならないことを考えると、それも強ち間違いではないのかもしれません。
或いはそう考える人は、闇金の本当の怖さを知らないだけかもしれません。
あまりにも法外な利息や厳しい取立てなどをおこなっているのか…。
では、そもそも闇金とは何なのか?という問いに、正確に答えられる人は一体どのくらいいるのでしょうか。
そしてなぜ闇金はなくならないのでしょうか。
もしかしたら自分も被害に遭うかもしれない闇金の返済地獄について、知っておくいい機会かもしれません。
闇金とは?そしてどんな人が利用するのか
ここでいう「闇金」とは「闇金融」の略で、違法なほどの高い利息で貸付をおこなったり、貸金業の登録をせずに貸金業を営んでいる金融業者を指します。
もともと貸付における上限金利は出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)により、20%と定められています。
しかしこれを超えた金利で貸付をおこなうのが闇金です。
ではどのような人が闇金を利用するのかというと、一般の消費者金融やキャッシングでの借り入れができない場合に利用することが多いようです。
たしかに、誰も好き好んで高い利息を払うわけではありません。
必要に迫られて、闇金で借り入れをするしか手段がないから利用するのです。
仕方なく闇金で借り入れをして、結果として借金地獄に陥ってしまうケースも多くみられます。
これは利息が高いあまりに、返済しても借入残高が一向に減らないからです。
しかしこうなることがわかっていても、闇金に手を出さざる得ない人がいることも事実です。
闇金の返済と取立ての特徴
闇金と一般の消費者金融との違いは金利の高さだけではありません。
多くの消費者金融が月に1回の返済であるのに対して、闇金では1週間や10日ごとという短いスパンでの返済になっています。
なんとか返済したと思ったらすぐに次の返済日がやってきます。
そして利用者が返済不能となるやいなや、厳しい取立てが始まります。
これは世間でもよく知られていて、テレビドラマなどでこのようなシーンを目にしたことがある人も多いはずです。
そして闇金の手口として多いのが、家族や友人、職場なども巻き込んで返済を迫るやり方です。
これによって利用者は精神的にも社会的にも追い詰められていきます。
本来は貸金業法により取立てに対する規制がおこなわれていて、人を威迫したり生活や業務の平穏を害するような言動は禁じられています。
闇金がおこなっている取立てのやり方は、まさにこの平穏を害するような言動にあたります。
闇金の法外な金利
一般的な消費者金融なのか闇金なのかを見分ける際に有効になる特徴が法外な金利です。
前述したように金利の上限は20%と定められているにもかかわらず、闇金は平気で年利300%以上の貸付をおこなっています。
それを最もよく表しているのがトイチ、トサン、トゴという言葉です。
トイチは10日で1割の利息が付き、トサンは3割、トゴは5割の利息が付きます。
これは年利にするととんでもない数字になり、完全に出資法違反なのは間違いありません。
また闇金ならではの利息計算で複利というものがあります。
元金の利息までも次の元金に合わせる計算方法で、驚くべきスピードで返済額が増えていきます。
ここまでくると利用者は、あとどのくらい返済すればよいのか、借入残高が減っているのかさえわからなくなってきます。
闇金の本当の恐ろしさはこういったところにあります。
闇金の様々な種類
闇金と一言でいっても、実は様々な種類があります。
最もよく知られているのが「ソフト闇金」ではないでしょうか。
これは通常の闇金のような恫喝や厳しい取立てをおこなわず、丁寧な対応をするのが特徴です。
それによって利用者は安心してしまい、警察や弁護士に相談することを考えません。
しかしこれこそがソフト闇金の狙いなのです。
警察や弁護士が介入すると違法なことをしている以上は面倒なことになってしまいます。
それを避けるために丁寧な対応をしているに過ぎません。
金利は法外なので闇金なのは間違いないのです。
またその他にも、固定電話を登録せずに携帯電話のみで貸金業を営む090金融と呼ばれるものもあります。
本来であれば固定電話を登録しなければ貸金業の認可は受けることができません。
このように無認可での営業をおこなっているものも闇金だと考えて間違いないでしょう。
闇金と債務整理について
闇金に関わってしまったら最後、利用者はとことん搾り取られます。
またその手口は年々巧妙化してきていて、警察や弁護士が介入しづらい状況のため、いつまでたっても闇金がなくならないのです。
そして闇金には関わらない方がいいのはもちろんですが、もう関わってしまっている、或いは利用しているならば言えることはただひとつだけです。
一秒でも早く縁を切ることです。
闇金への返済は終わることがなく、普段の生活や人間関係にも支障を来すのは時間の問題です。
しかし縁を切るといっても闇金相手に一人で立ち向かうのにも限界があります。
取立てが厳しい、嫌がらせがひどい…などの場合は警察へ、返済に苦しんでいるならば弁護士に相談することをおすすめします。
そして債務整理という選択肢があることを憶えておきましょう。
債務整理とは借金に苦しんでいる人が返済が免除になったり減額してもらえるものです。
債務整理をおこなうと経済活動に制限が入りますが、それ以上に生活が楽になるというメリットがあります。
本来は違法行為をおこなっている闇金に対しての返済義務はありません。
しかし返済しなければ闇金からの嫌がらせはエスカレートしていきます。
そこで法律に則って手続きをおこなうのが債務整理なのです。