過払い金請求を弁護士に依頼した方が良い理由3つ

自分で請求すると準備が面倒

過払い金を自分で請求するとなると必要書類を全て自分で準備し、郵送しなくてはなりません。

特に大変なのが過払い金の引き直し計算でしょう。

引き直し計算とは過払い金がどのくらい戻ってくるのかを正しい金利(法定金利)で計算し直すことです。

この引き直し計算は考え方自体は単純で、返済しすぎた金額から法定金利で返済した場合の金額を差し引けばいいのですが、実際の返済は何年にも渡って分割で行われるためかなり複雑な計算になってしまいます。

最近では無料の「引き直し計算ソフト」があるので大体のところは分かりますが、正確な金額を知るにはやはり弁護士に依頼した方がいいでしょう。

貸金業者に足元を見られる可能性

過払い金請求を自分で行う最大の問題点は法律の専門家でないことで足元を見られてしまうことでしょう。

そのため実際よりも低い金額の過払い金を提示されることや交渉が決裂して貸金業者から裁判を起こされる可能性があります。

そうなれば日常的に過払い金の対応に慣れている貸金業者に対して法律の知識が薄い個人の立場はとても不利なものになりますし、裁判の手続はかなり複雑で書類を不備なくそろえるだけでも相当な労力を費やすことになります。

何度も裁判所に足を運べばその分時間や手間もかかります。

過払い金請求を自力で行うなら、弁護士に依頼しないまでも裁判に備えて相談はしておいた方が無難です。

消滅時効や取引の分断の問題が絡めば複雑に

同じ貸金業者と長年に渡って借り入れと完済を繰り返していたようなケースでは、原則として一つの続いた取引として認識されますが、ここで問題になるのが「取引の分断」と判断されるケースです。

たとえば平成16年1月に借り入れをし、同年5月に完済、また同年10月に借り入れをした場合なら、この二つの取引は一連の取引とみなされます。

ところが平成16年3月に完済し、平成17年3月にまた借り入れをした場合なら、取引の空白期間が1年程度あるため一連の取引ではなく「取引の分断」と判断されて過払い金の額が下がる可能性があります。

また過払い金の消滅時効は最後の取引から10年ですが、現在返済の途中であってもその前の完済から10年以上経過しているときは消滅時効が成立し、過払い金が請求できないことがあります。

このように判断が微妙な場合は特に経験のある弁護士の力が必要です。

経験が豊富な弁護士とそうでない弁護士では時効の解釈によって過払い金の額に100万ほど差がつくこともあるからです。

弁護士に依頼する費用と注意点とは

現在弁護士に依頼する場合は特に規定があるわけではないので、報酬はその法律事務所が自由に設定しています。

それでも大体の相場は決まっており、過払い金請求を依頼したなら報酬は取り戻せた過払い金の20%ほどでしょう。
(裁判をした場合はこれよりも高くなります)
ほとんどの法律事務所では過払い金の計算(引き直し計算)だけなら無料から行っていますが、まれに貸金業者側に有利な時効や計算法で引き直し計算をする悪質な事務所も存在します。

そのためあらかじめ自分でもソフトを利用して計算をしておいたり、複数の法律事務所に引き直し計算を依頼するなどの自衛策も必要でしょう。

また電話だけでなく面談で親身に対応してくれるかどうかや、費用が明確であるかどうかも重要な判断材料になります。